優勝したシーンが印象深い中央競馬の名場面

優勝

初めて優勝をする馬、騎手、関係者はその感動から涙を流して喜ぶ人がほとんどですが、中にはそれ以外の喜び、思いを感じる人もいます。若手騎手の場合、G1を初めて優勝するとなるとたいていの騎手は号泣し、言葉にならないインタビューを経験することになります。

これが経験を重ねていくとめったなことでは泣かなくなり、よほど思い入れのある馬で勝たない限りは嗚咽を漏らすほど泣くことはありません。それは調教師でも同じことであり、G1で優勝して泣くケースは若手調教師に多いのが特徴です。

中央競馬の名場面としてよくあるのは厩務員の涙です。厩務員は馬の世話をする人であり、多くの馬を担当します。歴代の担当馬の中には強い馬もいれば弱い馬、非業の死を遂げた馬なども含まれています。特に将来を期待されて亡くなるというのは調教師も大変ですが、厩務員にとってはトラウマのような経験となります。

それを乗り越えて大レースを勝つというのは、よく頑張ったという馬への労いだけでなく、天国から応援してくれてありがとうという感謝の気持ちなどが交錯して涙を流します。中央競馬の中継ではオーナーや調教師の喜びの姿はあまり流れませんが、その時の喜びを見るだけでも目頭が熱くなるものです。

中央競馬で差し切り勝ちを名場面と感じる理由

競馬

中央競馬のレースには、逃げ切りもあれば先行からの抜け出し、追い込み一気など、様々な決まり手があります。名場面として残りやすいのは、派手な大逃げや直線一気のごぼう抜きかもしれません。

それに対して差し切り勝ちは、一見すると地味に感じられやすいです。しかし、一見地味でも中央競馬の名場面には多く、ファンの記憶に残されています。差し切り勝ちは、中団に控えた馬が直線半ばで逃げ馬や先行馬を捉え、ゴールして1着になる決まり手です。

直線を向いて外からジリジリ伸びてくるときは、逃げ馬や先行馬を捉えられるのかドキドキします。もし直線で注目している馬が馬群に包まれていれば、抜け出せるのかハラハラするでしょう。

無事に抜け出し逃げ馬や先行馬を捉え先頭に立っても、まだまだ安心することはできません。直線にかける追い込み馬の末脚を警戒しながら、差されないでくれとファンは願います。先頭に立ったまま後続を振り切りゴールしたときには、安堵感を感じるでしょう。

つまり、差し切り勝ちは直線で前を交わせと願い、先頭に立ってからは交わされるなと願うので、1回のレースで正反対の気持ちを味わうことができます。ファンに名場面として記憶されるのは、こうした心理もあるでしょう。

 
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